高血糖が引き起こす様々な病気
こちらのページは高血糖が引き起こす様々な病気についてまとめています。水虫
高血糖になると、血液中に入り込んだ細菌やウイルスと戦う「白血球」の働きが弱まります。また、健康な人の体には、一度感染した病原体に対する抗体を作る仕組みが備わっていますが、高血糖の状態ではこの仕組みが弱くなります。そのためあらゆる感染症にかかりやすくなってしまっているのです。中でも最も気を付けなければならないのが「白癬菌」、つまり「水虫」です。
水虫は多くの場合、足の指と指の間にでき、じゅくじゅくして赤く、かゆみを伴います。この部分にできた傷口から細菌が侵入し、更に細菌感染症を起こすことがあるのです。高血糖により免疫力の弱い状態で感染した細菌が劇症型の溶連菌であったりすると、最悪の場合死に至るケースもあります。
虫歯・歯周病
口の中には血管が集中しています。高血糖により細胞の働きが弱まっていると、口の中の抵抗力も弱まり、細菌の繁殖しやすい状態、つまり虫歯になりやすい口内環境を引き起こします。これは虫歯や歯周病を発病しやすいということに加えて、治療してもすぐにまた再発する、治療が全然うまくいかないという事態にも、陥る危険性があります。
ここで最も深刻な問題となるのが、「歯周病」の細菌が産み出す毒素が血管内に入り込み、インスリンの働きを抑えてしまうことです。つまり、高血糖が歯周病を引き起こし、歯周病が高血糖を引き起こすという悪循環なのです。
実際に、歯周病の治療がうまくゆかず、糖尿病を悪化させてしまう患者さんは何人もいらっしゃいます。
特に高齢の方、肥満の方、煙草を吸う方は更にリスクが高まりますので、定期的な歯科検診をお勧めいたします。
認知症
血糖値が高くない高齢の方に比べ、高血糖の方は認知症発症率が2倍~4倍も高いことが分かっています。その原因はまだすべて解明されていませんが、米ワシントン大学公衆衛生大学院のポール・クレーン準教授らの研究発表によると、インスリンの作用が低下し、脳内のエネルギー代謝が悪化すると、神経細胞が死滅して認知症が進行するのではないかとの見解が概ね間違いないようです。これについて、血糖値が上昇するのを抑えれば認知症をどれだけ予防できるかを示した研究結果はまだありませんが、高血糖が引き起こす様々な体調不良について、多くの機関・団体によって研究が進められています。