糖尿病の慢性合併症【細小血管障害】
こちらのページは糖尿病の慢性合併症【細小血管障害】についてまとめています。細小血管障害
血糖値が高い状態が続くと、血液はドロドロしてきます。ミルクにお砂糖を入れて飲んだとき、溶け切らなかったお砂糖が底に溜まってミルクがドロドロしますよね?それと同じようなイメージです。こうなると、全身の血管が弱くなり、そこから適切な栄養を与えられて保たれていた様々な臓器に障害が起こってきます。これを「糖尿病の慢性合併症」といいます。
慢性合併症は、いったん起きてしまうと治ることは大変困難です。糖尿病は慢性疾患のひとつであり、治療と自己管理が生涯必要な病気です。しかし逆に言えば、これらをきちんと行うことで、合併症が起こらないように予防することも、あるいは例え合併症が起きてもそれ以上悪化しないようにすることもできるのです。
慢性合併症には、細い血管にみられる合併症「細小血管障害」と、太い血管にみられる合併症「大血管障害」のふたつがあります。
血管が細い場所は血流が悪くなりやすく、特に眼、腎臓、神経系には頻度が集中するため、細小血管障害である「網膜症」「網膜症」「末梢神経障害」は糖尿病「三大合併症」とも呼ばれています。糖尿病の三大合併症
網膜にはたくさんの血管が通っています。その血管に異常が生じ、視力低下や失明を招くのが網膜症です。
主な自覚症状に、「見える範囲が狭くなる」「カーテンがかかったように暗くなる」「黒い点が見える」などがありますが、これらの症状があらわれるころにはすでにかなり病状は進行しています。
腎臓は、血液をろ過して身体に不要な老廃物を、尿として排泄する器官です。
このろ過の役割を担っている糸球体の毛細血管に異常が生じ、腎臓そのものが機能しなくなるのが腎症です。
こうなると、機械で血液をろ過する「人工透析」が必要になってきます。人工透析は週に3日、1回4時間程度を基準に、病院で専用の機器を用いて行います。
末梢神経は、体を動かすための「運動神経」、熱さ・痛さなどの感覚を認識する「感覚神経」、身体の様々な器官を調節する「自律神経」の3種類から成ります。これらの神経細胞に血液供給が十分になされないと、これらの機能に故障が生じます。これが末梢神経障害です。
自覚症状としては、運動神経に問題が起こった場合には筋肉の萎縮や筋力の低下、感覚神経の場合にはしびれや痛みがあらわれたり、逆に痛みに鈍くなったりもします。また、自律神経の異常では、発汗や立ちくらみ、排尿障害なども引き起こされるようです。