高血糖の症状と原因
高血糖とは
高血糖とは血糖値が正常値を越えてしまっている状態を指しますが、その症状や度合いによって対処・治療法は様々です。
現在「糖尿病予備軍」と呼ばれる人たちの大半を占めるのは、「食後高血糖」と呼ばれる症状に当たります。通称「隠れ高血糖」とも言われる「食後高血糖」ですが、これは健康な人であれば食後上昇した血糖値は約二時間程で140mg/dl未満になるところを、140mg/dl以上のまま低下しない状態を指します。食後高血糖は癌で言うところの「早期癌」のイメージで、この状態を放っておくと「糖尿病」という末期の状態にまで進行してしまいます。「糖尿病」を発病するかしないかは、この時期にどれだけ症状を改善できるかにかかっていると言えるでしょう。食後高血糖である人は、適切な食事と適度な運動、血糖値を下げるサプリメントなどで日常的に血糖値管理を行うことで、「糖尿病」を予防することに努めます。
また、「食後高血糖」がより悪化してしまった状態を「慢性高血糖」と呼びます。これは空腹時の血糖値が126ml/dl以上、食後二時間の血糖値が200mg/dl以上である状態を指しますが、こちらはかなり高い確率ですでに「糖尿病」であることが考えられます。特に、次のような症状があらわれ始めている方は要注意です。
高血糖の症状 |
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夜間に尿の回数が増える、尿意をもよおし目が覚める |
著しく空腹や喉の渇きを覚える |
傷跡の治りが悪くなる。自然治癒が遅くなる |
疲労感が強くなり日中でも眠くなる |
風邪などの感染症にかかりやすくなる |
これらの症状は、身体が血液中の過剰な糖を尿と共に排出しようとするために起こります。ただし、これらの症状は極めて軽度であったり、あるいは全くあらわれないケースもあります。そういう場合、自覚症状のないままに病気が進行・悪化し、取り返しのつかない最悪の事態を招きます。こういった症状が見られないからと言って油断は厳禁です。特に、以下の項目にひとつでも当てはまる方は「食後高血糖」ないし「慢性高血糖」の危険性がありますので、定期的に健康診断や血液検査を受けましょう。
高血糖になりやすい人の特徴 |
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炭水化物や甘いものが好きな人 |
お酒が好きな人 |
外食の機会が多く、高カロリーな食事ばかり摂っている人 |
運動不足な人 |
ストレスを感じやすい人 |
食事時間が不規則な人 |
お腹いっぱいになるまで食べてしまう人 |
高血糖と糖尿病
そして、この「慢性高血糖」の状態に加え、「ヘモグロビンA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)」という項目の値が6.5%以上であった場合、いよいよ「糖尿病」という診断が下されます。
以前は慢性高血糖の診断基準がそのまま「糖尿病」と定義付けられていましたが、血糖値は食事や運動の影響を受けやすく、より適正な診断が難しい側面がありました。そこで、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものの数値「ヘモグロビンA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)」が、糖尿病の診断基準に新たに加えられることとなったのです。
高血糖を放っておくと引き起こされる病気は「糖尿病」だけではありません。こちらの章では糖尿病を始めとする、高血糖が原因で起こる様々な症状についてご紹介してまいります。



