ゼロカロリー食品なら血糖値は上がらない?
こちらのページはゼロカロリー食品なら血糖値は上がらないかについて解説しています。糖質ゼロ表示のゼロカロリー商品とは
スーパーやコンビニの食品コーナーなどでよく目にする「ゼロカロリー」や「ノンカロリー」の表記は、血糖値管理やダイエットをしている方にとってとても魅力的なものではないでしょうか。管理人も若い頃、「ノンカロリーシュガー」なるものを好んでコーヒーや紅茶に溶いて飲んでいました。その他にも、ゼロカロリー飲料、ゼロカロリーゼリーなど、一度でも口にしたことのある方なら「こんなに甘いのに、どうして糖質もカロリーゼロなんだろう」と不思議に思ったことがあるはずです。
これは「人工甘味料」という、自然には存在しない合成甘味料の甘味です。代表的なものに、「アスパルテーム」「サッカリン」「スクラロース」「アセスルファムカリウム」などが挙げられますが、これらはフリーフードと呼ばれ、米国でも正式に認められているカロリーフリー・糖質フリーの人工甘味料になります。米国糖尿病協会や米国心臓病協会など、フリーフードに関しては肯定的な意見を持つ機関・団体も多く、これらはカロリー制限中の肥満の方や、糖質制限中の糖尿病の方の食事療法などにも、砂糖の代わりに広く使用されてきました。
こうした人工甘味料は、カロリーゼロに限らず、様々なジュースや清涼飲料水、菓子などに使用されています。これは、例えば「アスパルテーム」は砂糖の200倍、「サッカリン」は500倍、「スクラロース」は600倍もの甘味があるため、コストダウンの目的で添加されます。また同時にカロリーオフの目的も達成されるのです。
甘いのに、肥満にも血糖値の上昇にも関与しない人工甘味料、とても魅力的ですよね。特に、管理人のように血糖値が高めであるにも関わらず甘いものが大好きな方。これからはこの「人工甘味料」をたっぷり使って甘いケーキやクッキーを焼いて食べよう、なんて考えていませんか?でも、ちょっと待って下さい。実はこの「人工甘味料」、摂取すると「血糖値を上げやすい身体をつくる」という報告もされ始めています。
人工甘味料に潜む危険
ワイツマン科学研究所のエラン・エリナフ研究員によるある実験によって、人工甘味料の摂取による「耐糖能異常」の問題が明らかになりました。耐糖能異常とは、「空腹時の血糖値が100mg/dl以上」のことを指します。その実験とは、三匹のハツカネズミに、それぞれ「人工甘味料を含んだ水」「ブドウ糖を含んだ水」「ただの水」のみを与え、経過を観察します。そして11週間後、すべてのネズミに一度ブドウ糖を与え、その耐糖能をテストします。結果、「人工甘味料を含んだ水」「ブドウ糖を含んだ水」を飲んでいたネズミにおいて、耐糖能異常が示されることとなりました。つまり、摂取時に血糖値の上昇しない人工甘味料も、血糖値の上昇するブドウ糖と同量で「耐糖能異常」が引き起こされるということです。
更に、ワシントン大学のヤニナ・ペピーノ博士らの研究によると、より危険な事実が判明しました。その実験とは、糖尿病ではない参加者十数名を、「人工甘味料を含んだ水を飲むグループ」と「ブドウ糖を含んだ水を飲むグループ」とに分け、数時間後にもう一度、今度はふたつのグループに同じ「ブドウ糖を含んだ水」を飲ませ、血糖値の推移を測るテストです。これにより、「ブドウ糖を摂った後にもう一度ブドウ糖を摂る」よりも、「人工甘味料を摂った後にブドウ糖を摂る」方が、血糖値が20%以上高く急上昇するということが分かりました。つまり、人工甘味料自体に血糖値を上げる作用はなくとも、その後の血糖値上昇の感受性を上げてしまっているということなのです。
また人工甘味料には、味覚を狂わせ、甘味への依存性を持たせてしまう危険性もあります。これは甘いものを摂取した時にでる幸福ホルモン、「ドーパミン」が、分泌異常を起こしてしまうことが原因と言われています。砂糖の何百倍も甘い人工甘味料ですから、知らず知らずのうちに「甘味中毒」となっているのでしょう。そこで我慢できず、今度はブドウ糖を少しでも摂取してしまうと、先程の実験の通り、感受性が高まっているので、通常にも増して血糖値が上昇してしまうという訳です。
甘いものがどうしても食べたいときには、決して「人工甘味料」に頼ってはならないということをお分かりいただけたでしょうか?どうしてもという時には、メープルシュガーや天然に近いお砂糖を少量使用しましょう。ケーキやクッキーも時々は食べたくなりますからね。そして甘いもののあとには「サプリメント」で血糖値対策もお勧めです。