血糖値が上がりにくい低GI食品とは
こちらのページは血糖値が上がりにくい低GI食品についてまとめています。GI値とは
グリセミック・インデックス値、略してGI値とは、ある食品を摂取した際の血糖値上昇の度合いを表した数値のことです。GI値の高い食品は血糖値の上昇スピードが速く、低い食品は緩やかです。
血糖値の上昇スピードが速いと、どうなるのでしょうか?
私たちの身体には、血糖値の理想値というものが存在します。この数値を上回ると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げようと働きかけます。血糖値の上昇スピードが速いと、このインスリンの働きが追いつかず、一度に大量に分泌されなければなりません。すると今度は血糖値の急激な下降が起こり、一時的に低血糖状態となります。こうなると、今度は脳が「血糖値が下がり過ぎて危険!食事をして糖質補給を!」と指令を出し、私たちは甘いものが食べたくなります。そこで再びGI値の高い食品を摂ってしまうと、また血糖値が上昇し、インスリンが大量分泌され、血糖値を下げるために糖を細胞に蓄えようと働きかけます。
この急激な血糖値の上昇と下降の繰り返しよって、私たちの細胞には糖が過剰に蓄えられます。糖が蓄えられた細胞は「脂肪細胞」となり、肥満やその他様々な体調不良を引き起こすでしょう。これはインスリンが効きにくい身体をつくる「インスリン抵抗性」を高める原因でもあります。
食事の後、満腹であるにも関わらず更に何か甘いものが食べたくなったり、或いは食後に激しい睡魔に襲われたりしたことはありませんか?
そういった症状は、いずれもこの血糖値の急激な上昇と下降が原因です。これが毎食後、しかも長期に渡って継続されて現れているという方は、もう既に糖尿病予備軍かも知れません。
「それなら、糖を抜けばいいのでは?」と考えたくなりますよね?でも、ちょっと待って下さい。糖は私たちの身体にとってとても大切なエネルギーなのです。脳が働くのにも、この糖は絶対に必要な栄養です。ですから、糖を「全く摂らない」というのは、非常に危険な考えなのです。そこで、GI値の低い食材、「低GI食品」を、選んで摂ってゆくことが大切になるのです。
身近な食材のGI値を比較してみよう
基本的に、「精白されていない」「自然に近いもの」の方がGI値が低いことを押さえておきましょう。例えば白米と玄米であれば玄米の方が、上白糖と黒砂糖であれば黒砂糖の方がGI値は低くなります。
米類 | |
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高GI | 白米 |
低GI | 玄米 |
麺類 | |
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高GI | うどん、中華麺、パスタ |
低GI | 蕎麦 |
パン類 | |
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高GI | フランスパン、食パン |
低GI | ライ麦パン、全粒粉パン |
甘味料 | |
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高GI | グラニュー糖、上白糖 |
低GI | 黒砂糖、メープルシロップ |
高GI食品を好んで食べてしまっている方で、血糖値の気になる方、まずは主食から変えてみるというのはいかがでしょうか?管理人も、以前は白米大好き、食パン大好きでした。それを玄米や全粒粉パンに変えるのには、とても強い意志が要りました。始めのうちは、ぼそぼそとした食感に慣れず、ちっとも美味しく感じられませんでした。しかし、一週間ほど続けると、玄米や全粒粉パンがとても味わい深く感じられてきたのです。歯ごたえがあり、よく噛むことで深い味わいが出て、また必然的に食べるのもゆっくりになり、一石二鳥でした。それに、玄米や全粒粉パンが主食となると、自然とおかずにも低GI食品を選んで食べるようになっていました。食の好みが変わったのですね。
高GIと低GIの食品・食材一覧
高GIと低GIの食品・食材は、見た目や味にはなかなか見分けのつかないものです。例えば見た目にはあまり違いのないメープルシロップとハチミツですが、木の樹液を煮詰めてできたメープルシロップより、ミツバチが植物の蜜を体の中で分解させたハチミツは、糖の濃度が高くなるのでGI値が高くなります。また野菜においても、比較的甘味の強いサツマイモやトマトに比べ、人参やじゃが芋といった根菜類の方が、GIが高いということもあります。また、調理方法によってGI値が変動することもあります。例えばふっくらと炊いた白米は高GI、お粥は低GIという具合です。
以下は、GI値の高い食品と低い食品を簡単にまとめたものです。
- 高GIの食品・食材
- 白米
- ビーフン
- うどん
- 食パン
- フランスパン
- ロールパン
- コーンフレーク
- グラニュー糖
- 上白糖
- 餅
- 大福
- 団子
- そうめん
- クロワッサン
- とうもろこし
- じゃが芋
- マカロニ
- 中華麺
- クッキー
- アイスクリーム
- 低GIの食品・食材
- 玄米
- ライ麦パン
- 全粒粉パン
- 五穀米
- サツマイモ
- 春雨
- 蕎麦
- 枝豆
- ごぼう
- 玉ねぎ
- キャベツ
- ブロッコリー
- ほうれん草
- ナッツ
- 納豆
- オートミール
- カボチャ
GI値を下げる食品・食材
GI値の低い食品・食材を選ぶだけでなく、食べ合わせを工夫することによってGI値を下げることもできます。その最も有名なもののひとつに「食物繊維」が挙げられます。食物繊維には血糖値の上昇を抑える働きがあり、野菜や果物、海藻類などに多く含まれています。高GIの食品と一緒に食べることで、GI値を抑える効果があると言われています。ただし、果物などはフルーツジュースではなく、そのまま食べるようにした方が良いでしょう。ジュースにしてしまうと、せっかくの食物繊維も細かくなります。また果物には果糖が含まれますので、同量であっても糖質を多く含むのはジュースということになります。
その他にも、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆類、豆製品、お酢にもGI値を下げる効果があります。こちらは調味料ですので、味付けをちょっと工夫するなどして摂ることができるでしょう。
そして少し意外かもしれませんが、油にもGI値を抑える働きがあると言われています。例えば、高GI食品である白米を油で炒めた炒飯は、GI値が少し低くなります。ただし、カロリーが高くなってしまうことも同時に覚えておかなければなりません。
文章にすると簡単そうに感じられますが、実際にこれを毎日意識して実践してゆくとなるとやはり大変です。特に乳製品、豆類、豆製品、お酢などには独特の風味がありますから、苦手な方も多いのではないでしょうか?「大好きなマヨネーズの代わりに大嫌いなお酢をかけて…」なんてことでは、楽しい食事が台無しですし、高血糖の天敵であるストレスも溜まります。決して無理をせず、足りないところは血糖値対策のサプリメントなどで補ってゆきましょう。