肝硬変の合併症、肝性糖尿病とは
こちらのページは肝硬変の合併症、肝性糖尿病についてまとめています。肝硬変とは
「肝臓」という臓器は、「肝細胞」という細胞から成っています。この肝細胞が再生を繰り返すことにより、肝臓の機能が保たれています。肝臓を酷使すると、この肝細胞の再生の力が弱まり、その部分が「繊維化」してしまいます。「繊維」になってしまった部分には血液が流れず、栄養素の取り込みが不足してしまいます。すると肝臓本来の働き「糖を取り込んで合成」したり「毒素を分解」したりすることができなくなってきますね。これにより身体はだるくなったり、疲れやすくなったりします。これが「肝硬変」です。
「肝硬変」によって「繊維化」してしまった肝細胞は、二度と元に戻りません。ですから、それを放置して最終的に肝臓全域にこの「繊維化」が進んでしまうと、肝臓が機能しなくなり、死に至ります。これが肝硬変の恐ろしさです。
肝性糖尿病の予防方法
肝臓の一部繊維化により引き起こされる「肝機能の低下」によって、血液中の糖を取り込めず、発症してしまう糖尿病のことを「肝性糖尿病」といいます。高血糖により肝疾患は引き起こされますが、逆に肝疾患から引き起こされる糖尿病もあるということです。このように、高血糖と肝臓は非常に密接な関係にあるのです。
「肝硬変」や「脂肪肝」は、現在日本人の成人男女3人にひとりはその兆候があると言われています。その原因は「栄養過多」。コンビニ弁当やインスタント食品などが溢れ、「飽食の時代」とも言われる現代人の食生活は、特に糖、脂肪、動物性タンパクなどの栄養素が過剰です。長年こういった食事が当たり前になっているような方は、すでに肝臓にかなりの負担がかかってしまっていることは間違いありません。自覚症状のないままに進行してしまう病気ですから、日頃の小さな心がけが何より大切です。
「肝臓に負担がかかる生活習慣」として最も代表的なもののひとつに「タバコ」が挙げられます。これはニコチンを摂取することにより肝臓を覆う毛細血管が収縮し血液が十分に流れないことで起こる肝機能の低下に起因しますが、「タバコ」の本当に恐ろしところはそれだけに留まりません。
肝臓がタバコ一本分のニコチンを分解するのにかかる時間は「二時間」と言われています。つまり、一日に12本、二時間の間隔を空けて吸ったとしても、その他食事の際などに稼働する分を考えると、肝臓の処理能力を遥かに超える分解量となるのです。タバコを吸われる方で、それ以下に抑えられている方がどれ程いらっしゃるでしょうか?肝臓のことを考えるならば、タバコは控えましょう。
また、肝臓に負担がかかる習慣として同様に「飲酒」もあげられます。アルコールの分解により疲労した肝臓は、その肝機能を回復させるのに48時間程かかると言われています。つまり、お酒を飲まれる方は2日間、肝臓を休める日を作ると良いでしょう。また、アルコールの分解には水分が必要となりますので、チェイサーを用いるなどして飲み方を工夫しましょう。
それに加え、定期的な血液検査により、肝機能の数値を確認しておくことも大切です。